Michaela Panter, PhD

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Senior Academic Editor

PhD, Immunobiology
Yale University

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編集のヒント:データ分析において混同されがちな用語について

記事の概要

データの説明によく使われる用語には、しばしば混同されているものがあります。この記事では、そのような用語のいくつかについて概説します。

多くの研究分野において、研究調査に際して定量分析が必要となります。結果を明快に伝え、議論する上では、実際のデータや数式に加えて、特有の用語を使う必要があります。しかし、データの説明によく使われる用語には、しばしば混同されているものがあります。この記事では、そのような用語のいくつかについて概説します。

「amount(量)」と「number(数)」、「less(より少ない)」と「fewer(より少数の)」

それぞれの組み合わせのうち、前者は数えられないもの、後者は数えられるものを扱う際に使われます。「number(数)」と「quantity(数量)」は相互に置き換え可能です。

    1. 処理済細胞から産出されたサイトカインの量(amount)は、統制群細胞から分泌されたサイトカインより少な(less)かった(サイトカインは数えられない)。
    1. 生細胞数(number)は、いずれの処理グループにおいても増加したが、処理グループBにおいて観察されたのはより少数(less)であった(細胞は数えることができる)。

「nonsignificant(有意でない)」と「insignificant(意味のない)」

科学論文において、有意(significant)という語は、通常「統計学的に有意」の同義語にあたります。有意でない(nonsignificant)という場合はその反対を意味し、「統計学的に有意でない」ことを指します。これに対して、意味のない(insignificant)とは、統計学的な含みをもたず、重要でないということを暗に意味するのがふつうです。

  • 二つのサンプルの間の相違は有意でなか(nonsignificant)った(p>0.05)。(統計学的意味での使用)
  • その峡谷の巨大さに、彼らは自らを意味のない(insignificant)もののように感じた。(統計学的な含みなし)

「prevalence(有病率)」と「incidence(罹患率)」

有病率(prevalence)とは、ある時点における一定の人口中の患者数の割合であって、疾患の広まり具合(例えば、「5/1,000のアメリカ人がこの疾患にかかっている。」)を示します。これに対して、罹患率(incidence)とは、一定の期間中に一定の人口に生じた新規発生件数の割合であって、リスクを示す(例えば、「毎年3/1,000のアメリカ人がこの疾病を発症する。」)ものです。

「proportion(割合)」と「ratio(比、比率)」と「rate(率、度合)」

「proportion(割合)」は全体に占める部分(の大きさ)を示し、「ratio(比、比率)」は同じ単位で計測される2つの数量の関係をあらわし、「rate(率、度合)」は異なる単位の2つの数量の関係をあらわします。

  • 全部で9のサンプル中、病変を示した組織サンプルの割合(proportion)は6であった。
  • 1倍濃度のリン酸緩衝食塩水をつくるために、蒸留水と10倍濃度リン酸緩衝食塩水を9対1の比(ratio)で混合した。
  • サンプリングの率(rate)は1分間につき5回の計測であった。

「dose(一回あたり服薬量)」と「dosage(投薬量・頻度)」、「survival period(生存期間)」と「survival rate(生存率)」、「correlated(相関する)」と「associated(関連する)」など、データ分析に関連して混同されがちな他の用語については、臨床医学論文で混同、誤用されがちな用語についての記事もご参照ください。

研究成果の説明に頻用される用語の正しい使い方をご理解いただく上で、この記事がお役に立てば幸いです。ご質問等がありましたら、[email protected]にメールでご連絡ください。

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